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國さんコラム「自分らしく生きる」
国貞克則
国貞克則
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 2005/2/21
<第15話>「誠実に一生懸命に」
社会に出て働くことに不安を持っている人が多い。自然なことだと思う。中年 の僕でも、新しい仕事を始める時は不安を感じる。仕事経験の少ない若者が不 安を感じるのは当然だ。

しかし、若者には特権がある。
仕事経験がないのだから失敗して当然、うまくいかなくてあたりまえなのだ。 大切なことは、うまくできるかどうかより、与えられた仕事を誠実に一生懸命 やっているかどうかだ。

君がレストランでウェイターとして働きだしたと仮定しよう。先輩社員は何枚 もの皿を腕に乗せてさっそうとテーブルの片付けをする。君は2枚の皿を運ぶ のがやっとだ。しかし、もし君がお客様のために誠実に一生懸命に仕事をして いるなら、お客様は間違いなく、先輩社員ではなくて一生懸命な君に感動する。

もう一つ例を出そう。僕の息子は僕に似て運動神経が悪い。息子が小学6年の 時に学校対抗のドッジボール大会があった。学校毎に4年生から6年生で編成 された3チームが出場した。我息子は敗戦処理チームのキャプテン、つまり運 動神経の悪いメンバーばかりを集めたチームのキャプテンだった。見るからに 体も小さく、どんくさそうな子供達の集まりだ。親としては、監督もひどいこ とをするものだと思った。

しかし、ゲームが始まると、我息子はコートの真ん中で大きく両手を開き、年 下のどんくさいメンバーを自分の後ろに隠し一生懸命戦っている。ただ、テレ ビドラマとは違い、奇跡がおきることはなく、息子はあえなくやられてしまっ た。

試合が終って家に帰ってから、無茶苦茶に息子をほめてやった。たくさんの観 客の前であんなカッコ悪い姿を見せられるものではない。僕だったら、攻める 役にまわるなどして、自分が恥をかかないようにすることだけを考えていただ ろう。

人間として大切なのは、うまくできるかどうかではなく、いかに誠実に一生懸 命に仕事に取り組んでいるかだと思う。

そんな誠実で一生懸命な姿を見た時、人は感動する。そして人は感動によって 動かされる。人を感動させられる人間なんてそうざらにはいない。だから素晴 らしいのだ。

君達も、先ずは仕事がうまくいくかどうかを気にする前に、自分が目の前の仕 事を誠実に一生懸命やっているかどうかだけを考えてもらいたい。そうすれば 不安も自ずと軽くなると思うのだが。
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