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國さんコラム「自分らしく生きる」
国貞克則
国貞克則
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 2005/03/22
<第19話>「関係性」
エドワード・デシという心理学者がいる。内発的動機付けの研究で世界の第一 人者だ。内発的動機付けと外発的動機付けについては以前にも書いた。自ら仕 事がしたいと思うことが内発的に動機付けされた状態であり、アメとかムチと いった仕事以外のものを使って仕事へのやる気を起こさせることを外発的動機 付けという。

エドワード・デシは、内発的動機付けに必要なものは「有能感」「自律性」 「関係性」だと言っている。若い人達を見ても、やる気を失っている人は、 これら3つのうちのどれか、もしくは全てがうまくいっていない例が多い。

「有能感」とは「自分は出来る」という感覚である。営業成績がいい新人はや る気満々だが、営業成績が出ていない人はどことなく元気がない。やり方がわ からないとか、成果を出すまでのプロセスがイメージできない場合にも有能感 は損なわれる。

有能感を失っている人は、自分がどこでつまづいているのかを分析し、先輩に 教えてもらうなり、先輩のやり方を見せてもらうなりして「自分は出来る」と いう気持ちをつかむことが必要だ。また、成果が出始める時期は人によって異 なるし、短期の営業成績が高い人が常にビジネスパーソンとして素晴らしいわ けではない。いろんな視点を持つこと、そして自分を信じることが大切だ。

「自律性」とは「自分が決めている」という感覚である。素直に上司の言うこ とを聞き、いつも上司の命令に従っている新人はいい子である。しかし、本当 に仕事ができる人は、決して上司の指示通り動いてきた人ではない。常に自分 で考え、自分で行動してきた人だ。そんな人は仕事に対して意欲的だ。

「関係性」とは「周りの人との良好な関係」である。やる気を失っている人は 周りの人との信頼関係が損なわれている場合が多い。それは会社や上司に問題 がある場合もあるが、本人にも何がしかの問題はある。

人間関係はいくつになっても難しい。考えてみれば世の中は変人とどこか欠け た所を持った人達の集まりであるとも言える。自分とは違う考えや行動は嫌に なるし腹立たしいことさえある。けれでも、自分とは異なる人達の良い所を認 め、同じ方向に向かって歩もうと心が一つになる時は本当に気持ちがいい。

組織における関係性が良ければ、どんなにつまらない仕事をしていても不満に はならない場合が多い。「関係性」が人のやる気に一番大きな影響を及ぼすの ではないだろうか。
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