先日ある会社の社長さんと話をしていたら、「うちの会社の社員は当事者意識
や問題意識が足りない」というお話をしておられた。これはどこの会社に伺っ
ても、社長や企業幹部の方が口をそろえて言われることだ。
企業研修のテーマで最も多いのは「自律」である。
だれかに指示されたり助けてもらったりするのではなく、自分の考えで行動す
ることが全てのビジネスパーソンに求められている。優秀なビジネスパーソン
になりたければ「自律」すればよいのだ。
このことを若者はどう受けとめてくれるだろうか。「お金持ちになりたいとも
思わないし、出世もしたくない」と若者は言う。でも、殆どの人はいい仕事を
したいと思っているし、認められたいとも思っている。そう思うのなら……。
自律している人は視点が高い。言われたことを一所懸命やるというよりは、自
分から仕事を作りだしている。常にワンランク上の視点で仕事をしている。上
司が自分に何を期待しているのかをいつも意識し、その期待以上の何かを提供
しようとしている。
僕のリーダー研修のテーマも基本的には「自律」である。リーダーとしての自
分の役割に気づき自己変容しなければならないということだ。リーダーになれ
ば自分が一生懸命仕事をしているだけではダメで、他人のやる気や能力を引き
出すために何ができるかを考えることが仕事になる。この役割変化に気づき自
分の行動を変えられる人だけが、社会で認められる優秀なビジネスパーソンに
なってゆく。要は一つ上の視点を持てるかどうかだ。
もう一つ大切なことは、仕事に対する覚悟だ。昇格面接のために目標シートの
記入にミスはないかなどと神経質になっている人がいるが、そんなシートの書
き方などどうだっていい。昇格するかどうかは「私はこれをやり遂げる覚悟で
す!」と面接官の目をじっと見て言えるかどうかなのだ。仕事ができるとは、
この腹の据わり方をいうのだと思う。
「会社の中で上を目指せ」なんて言っているのではない。どこに出ても恥ずか
しくない立派な企業人になってもらいたい。自分の力で生きてゆけるたくまし
い人間になってほしい。そのためには先ず、「自分はこれをやります!」と自
ら言える人になることが大切だと思う。
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