僕は子供の頃から「一度しかない人生」ということをかなり強く意識して生き
てきた。「一度しかない人生に何を成し遂げるか」これはいつも僕の心の中に
あるテーマだ。
僕の中学時代はオイルショックだった。算数と理科が得意だった田舎の少年は、
「これからの日本はエネルギー問題を解決しなければならない。それも環境に
優しい太陽エネルギーの研究だ!」と思い、太陽エネルギー研究所が併設され
ていた大学へ進学した。
大学に入って、自分が研究者タイプでないことを知り、将来の目標をなくして
いた頃、今度は輸出摩擦が社会問題だった。夢多き青年は、「日本で作って海
外へ輸出して、海外から嫌がられるようなビジネスをしていてはいけない。輸
出先の国も幸せになり、輸出する日本も幸せになるプラント輸出、つまり発展
途上国に製鉄所や発電所などの社会インフラを作る仕事こそ、人生をかけるべ
き仕事だ!」と思い込み、当時プラント輸出で業界トップだった会社に就職し
た。
その後、円高でプラント輸出ビジネスが低迷し、僕自身が技術部門を離れ人事
部に異動するなどして、人生の夢や目的を見失いかけていた5年程前、世の中
では大企業が相次いで倒産していた。「これからは組織に頼らず一人で生きて
ゆける人間を育ててゆかなければならない。アメリカでは元気のいいヤツは皆
起業するのに、日本では皆役人かサラリーマンになってゆく。これからの日本
を元気にするためにも、先ず自分自身が一人で立って生きてみよう!」と思い
17年勤めた会社を飛び出した。
これといった技術も顧客も持っていない人間が、組織を離れて一人で生きてゆ
くことは考えていた以上に大変だった。自分一人で生きてゆくつもりが、組織
の中にいた時以上にいろんな人にお世話になった。独立してから3年は生きて
ゆくのに必死だった。夢とか人生の目的など考える余裕すらなかった。
やっとなんとか食えるようになった今は、サラリーマン時代に比べるとはるか
に自由である。素敵な人とだけ選んで仕事をすることも出来るようになりつつ
ある。独立して本当に良かったと思う。
しかし、今僕は自分の夢も人生の目標も明確でない。いくら自由でも、いくら
お金があっても夢や目標のない人生はつまらない。このメルマガを書き始めた
昨年の秋は、夢や目標がないことに追い詰められた気持ちだったが、「今は、
さまよわなければならない時期なのだ」と自分に言い聞かせて焦らないように
している。
自分のやりたいことなどすぐには見つからないと何度も書いてきた。
その通りだと思っている。目の前の仕事の苦しさから逃げ出しても、他の会社
に青い鳥がいるわけではない。目の前の仕事に積極的に取り組みながら、是非
あなた自身の夢や目標を見つけてもらいたい。
|
|