仕事柄、多くの人が組織の中で活き活きと働けるようにするにはどうしたらよいかといつも考えている。仕事で成果の出せない子が「大変なことが多いけれど好きな仕事だからいいんです」と言うのを聞くことがよくある。直感的に「この子は自分にうそをついているな」と思い心が痛む。「大変なことが多いけれど自分の選んだ道ですから」と言ってくれた方がまだ希望が持てる。
企業の管理職の最も大切な役割は、部下の「やる気」と「能力」を高めることである。「やる気」と「能力」は企業の業績にも大きな影響を与えるし、何より本人の仕事に対する幸せ感のベースになるものだ。日本人は精神論が好きだから「やる気があれば何でもできる」と言う人が多い。ウソではないだろう。しかし、仕事の能力が低く、成果が出せない人がやる気になることはまれである。そういう意味で、自己の能力を高めることは活き活きと働くうえで極めて大切なことだ。
能力を高めるために、今日は「戦略的思考」について考えてみたい。「この人は戦略的だなぁ」と思うビジネスパーソンにちょこちょこ出会う。「戦略的だなぁ」と感じる時、僕はそれらの人を「将来を見通し、目的を達成するための手段の優先順位を明確にし、ものまねでない思い切った事をしている人だなぁ」と見ているように思う。
戦略的に考えている人はビジョンを持っている。ビジョンとは「将来の構想、将来を見通す力」のことだ。将来を見通す時、先ずは人に焦点を当てて考えるのがよいと思う。なぜなら、商品やサービスを購入できるのは「人」だけなのだから。
人口構成の変化として少子高齢化、人口減少、晩婚化、単身世帯の増加などがほぼ間違いないトレンドだ。人の意識の変化を見れば、心の豊かさ志向、価値観の多様化、余暇活用・レジャー志向、ボランティア活動の活発化、環境・健康志向などは明らかな変化であろう。
このようなマクロの環境変化が、皆さんの業界や市場の変化にも大きな影響を与えていると思う。それら皆さんの業界や市場の変化をビジネスのチャンスとしてとらまえ、どのような手を打てば将来最も大きな効果が期待できるか、また他社がしかけてきそうにない独創的な手段はどのようなものであるかを考えることが戦略的思考の第一歩である。
手当たりしだい突進するのも良いが、物事を分類し、因果関係を押さえ、優先順位を明確にしてゆく戦略的思考の習慣も身につけてもらいたい。
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