以前「場が読める人」というタイトルで「我を捨てなさい」と書いた。しかし、自分を見失って闇雲に人の言うことに従うようになれば困りものだ。素直な心を持つと同時にしっかりした自分の考えを持ってもらいたい。しっかりした自分の考えを持つことはこれから皆さんが自分の人生を生きて行く上で極めて大切なことだ。人の言われるままに考えを変えるような人間ではだれにも相手にされない。
何か問題に直面すると「どうしたらいいのですか?」とすぐに答えを聞こうとする人が多い。マニュアルやノウハウ本に頼ってきた人達だ。現実社会は複雑系だから正しい答えなどない。例えば、あなたがお客様との関係で悩んでいたとする。「私ならこうする」というアドバイスはできても、それをそのまま実行してもたぶんうまくいかないだろう。なぜなら、あなたと私は、経験も能力も性格も、全てが異なる人間だからだ。結局、あなたが抱えている問題はあなた自身で考えて答えを出すしかない。
何か新しいことを企画する時も、参考例をひたすら研究し、事例の最大公約数が「答え」というような企画をする人が多いが、そんな企画では人を魅了できない。もちろん事例や専門家の考えを参考にすることは大切だ。ニュートンが万有引力の法則を発見した時「私は先輩の肩に乗ってりんごが落ちるのを見たから万有引力の法則に気がついたのだ」と言ったという。先輩方の知恵の集積をベースにして更にその次を考えるから新しいものが生まれてくる。諸先輩から学ぶ素直さは必要だ。
同時に、先ずは自分で考えぬくことが大切だと思う。自分の経験と考えに基づいた自分独自の考え方だから価値があるのだ。自分の腹の底から出てくる自分の言葉でなければ重みがない。もちろん、独善的になるのはよくないが、人の意見や考えをただまとめただけでは意味がない。
世の中の常識と言われるものも正しいことばかりではない。「地位の高い人は立派な人だ」「大企業に就職したり公務員になれば生活が安定する」「金持ちは幸せだ」どれが正しいか?高い地位でなくても立派な人はたくさんいる。本当に生活が安定するのはその人自身に生きる力がある場合だ。金を持ったがために不幸になっていく人は多い。世の常識に惑わされず、あなた自身で何が正しいのか何に価値があるのかを考えてもらいたい。
素直な心を持つと当時にしっかりした自分の考えを持つことが大切だと思う。
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