パフの若者就職応援ページ 閉じる
國さんコラム「生きる力」
国貞克則
国貞克則
プロフィール
バックナンバー一覧へ
 2006/05/29
<第28話>「仕事への対し方」
最近、全く対照的な二人の事が妙に気になった。二人とも50歳前後だが、どんな人生を送ってきたかで、人物にこれ程までに差がでるのかと感じた。

一人は高校を卒業して食品加工会社の現場で働き、その会社で重役にまでなった人だ。食品加工の上工程、つまり原料となる肉や魚を加工する現場は猛烈な匂いである。そこで毎日肉を切ったり煮たりする仕事はかなり厳しい。そんな仕事をしながら重役までなった彼は今でも心から現場に居たいと言う。事務所で仕事をするより現場の方が数段楽しいらしい。

原料を加工する段階では不良部分がたくさんでる。切断の問題や解凍の問題など知恵を使えば製品の歩留まりは格段に違ってくる。切断の道具の問題、解凍の方法、全体の加工プロセスの変更など、現場を知り抜いている人には知恵はいくらでも湧き出てくる。そしてそのたった一人の頭の中から出てきた知恵が何億円という利益に繋がっていくのだ。彼は正に現場を楽しんでいる達人だ。

もう一人は超一流大学を出て都市銀行に就職し審査部というエリートコースを歩んだが、途中からエリートコースから外れ、関係のコンサルティング会社に出向し、そこも面白くないので早期退職優遇制度を使い退職金をガッポリもらった後、自分がコンサルで仕事をしていた会社に採用してもらったが、どこも長続きせずいまだに職と転々としている人だ。

話しを聞くと愚痴ばかり。職場への不満、他人の悪口のオンパレードだ。どんな仕事も成果を出すのは簡単ではない。真剣に仕事をしてきた人は自分の経験の中で、耐え忍んだこと、苦労して何かをつかんだこと、新しい方法を生み出したことなど、自信を持って語れる何かを持っている。それは多くの場合、画期的な発明や発見などではない。話しを聞けば、「なるほどな」と思うあたりまえのことだけど、何かこう頭が下がるような素敵な経験だ。

有名な宮大工棟梁の西岡常一さんも元横綱の千代の富士も、若い頃、大工にも相撲取りにもなりたくなかったらしい。若いうちの仕事は面白くないことの方が多い。もし若いのに「楽しく仕事をしています」と言う人がいたなら、かなりレベルの低い仕事をしているのだと思う。やりたくない仕事でも、それをコツコツと続けてゆくうちに、その仕事がかけがえのない仕事になってゆく。

君は50歳になって、素敵な人だなと思われたいか、つまらない人だと思われたいか。仕事なんて何だっていい。
<前のコラムへ 次のコラムへ>
バックナンバー一覧へ
このページのトップへ
Puff Co., Ltd. (C)Copyright Puff Co., Ltd. All Rights Reserved. 閉じる