PRESIDENT INTERVIEW
タイトル
アジアパシフィックシステム総研株式会社とは
第2部
自分自身を変えた挫折体験。
「心が折れました」


写真A

  で、実際入ってみていかがでした?天狗の鼻は、いつ頃へし折られましたか?  
   
  天狗の鼻はですね……。実は10年ぐらいは折られなかったんですよ。  
   
  そ、そうなんですか。  
   
  もっと早く折られていたら良かったんですけどねえ(苦笑)。  
   
  きっと半年ぐらいで、へし折られてるだろうと、期待しながら聞いたんですけどね(笑)。  
   
  仕事が面白くてしょうがなかったんですよ。プログラムを作ってシステムが出来上がるのが。「先輩が3年かけてやったことを、俺は1年でやってやるぞ」、みたいな。もう天狗ですから。頭から煙を吹き出しながら仕事をしていました。  
   
  でも大学のときはセラミックが専門ですから、コンピュータの経験は、あまり無かったんじゃないですか?  
   
  まったく無いですね。  
   
  それでも天狗になれたのは、どうしてなんですか。  
   
  いつも怒られてたんですよ。なぜ、こんな簡単なことが分からないんだと。心の中で「くっそー。いつかお前をあごで使ってやる」と思ってました(笑)。でも、ある瞬間パッと開眼して、プログラムって簡単なんだと思ったんですね。そこからはグングン鼻が伸びだして始末に終えなかったです。  
   
  どういった関係のシステムを作ってらっしゃったんですか?  
   
  最初のうちは、金融系のシステムが多かったですね。3年目から運輸業界の仕事をしていました。  
   
  じゃあシステムの規模はかなり大きかったんですか?  
   
  巨大でしたね。自分がその中のどのパーツを作ってるのかもわからないぐらい大きなものでした。  
   
  どういう点が面白かったのですか?  
   
  すべて面白かったですね。お客さんと接して、やりとりをする部分も、非常に楽しくて。徹夜してても全然苦じゃないんです。ひとつのものを皆で追いかけている雰囲気っていうんでしょうか。一緒にやっている一体感がとても好きでした。  
   
  すると挫折の経験は?  
   
  会社が上場した後ですね。誰が営業を見るかという話になって、喋れるヤツは誰だと(笑)。で、私がその時に取締役の立場で営業本部長をやってくれと。それが99年でしたね。  
   
  すると……。34歳のときですか?  
   
  そうですね。  
   
  34歳で取締役ということは、相当な出世頭ですね。  
   
  天狗なんですよ。そこでいい気になって新規事業に乗り出したんですが、大きな失敗をしでかした。会社にも大きな損失を与えた。  
   
  なるほど……。内山さんにとって、それが大きな挫折だったんですね。  
   
  心が折れたなと感じました。人の弱さもよく分りました。それまでの自分は、とても嫌な人間だったんだろうな、と、このとき初めて思いました。  
   
  相当に辛かったんですね。  
   
  取締役を辞任しました。「現場の部長からやらせて欲しい」、と申し出て、そこからまた再スタートしました。  
   
  そこが大きな転換期だったんですね。  
   
  これがホント良かったですね。挫折がなかったら、生意気のまま走っていたと思います。  
   
  そこからどうやって復活してきたんですか?  
   
  当時、実はそこから業績が悪くなって、赤字決算になったんですよ。で、私が始めた事業も含めて、いろんなものに先行投資していたんです。でも連続で赤字決算なんてとんでもないことで、お金があるからできていただけの話だったんです。これはいかんということで、いちから建て直しを始めました。  
   
  具体的には?  
   
  まずは単月で黒字になれるような体質を目指しました。その黒字×12ヶ月イコール1年間で、絶対赤字にはしない。まずは、そういう基本のところから始めました。すると、皆が協力してくれるんですね。社員一丸といった雰囲気になってきたんです。  
   
  そこから復活が始まったということなんですね。  
   
  それでもう一度社長から「取締役になってくれ」と頼まれて。しばらくは「嫌です」と答えていたんですけど。でも、あるタイミングで、それを断りきれなくなってしまいまして。  
   
  そうでしたか。  
   
  気がついたんですよね。  
   
  と、いいますと?  
   
  今までは「自分の力で」とか、「自分の魅力で」と思っていたんですが、それが間違っていたということに。社員一人ひとりが同じ目標に向かって、皆が同じ気持ちで仕事に向き合えたら、会社ってどこまでも強くなれるんだっていうことに気がついたんです。社員全員が一丸となって、皆が協力し合っている姿を目の当たりにして、やっと気がついたんです。私は、そんなうちの社員に感動しましてですね……。で、とにかく社員を幸せにしたいと。会社を良くして、社員を幸せにしたいなあと思ったんです。  
   
  なるほど、そうでしたか。非常に苦しい、厳しい状況だったからこそ、一致団結して、ひとつの目標に向かうことができたんでしょうね。  
   
  社員全員の達成感が、今のうちの良い状態を作っていると思います。  
   

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